クルマは私にとってストレス解消法となっています。
その楽しさは好きな時に好きな場所へ天候を問わずに移動できることです。行楽地や市街地へのお出かけに欠かせない相棒です。そんなクルマでのストレス解消法のエピソードをお話します
私は、脳梗塞により左手足が不自由になってしまいました。左手足はマニュアル車の運転に欠かせません。10代の終わりからジムカーナというスラローム競技の全日本選手権の出場を目指していました。一瞬サイドブレーキのレバーを引いて8の字や180度・360度ターンが出来なくなるという事実も知りショックから立ち直れませんでした。常に見下したような言葉尻の友人との関係を断ち切りました。今後何の為・誰の為に生きるかの理由を見いだし、マイカーを処分しました。
ある時、台風により県内の広範囲が停電の被害に遭いました。
大量の乾電池や夕食の買い出しにコンビニを回る途中に立ち寄ったカフェで関係を断ち切った友人からのLINEの相手をしていると「停電は大丈夫か?仕事が定時に終わるから今から会いに行こうか?」というメッセージに快く応じると停車しやすい片側2車線の通り沿いにある銀行の前で落ち合うこととなりました。厄介な奴と会うことになったという気持ちが半分。残りの半分は所帯じみたミニバンから趣味性の高い2人乗りのスポーツカーに乗り換えてクルマをより楽しんでいるのかを知りたいという気持ちがあり、この目で確かめたくなりました。
銀行の前で立って待っていると、夕闇の中を大きく心地よい排気音と共にダークグリーンのスポーツカーが交差点を駆け抜け迫って来ました。私はここに居るとわかるよう杖を振りました。付き合いを止めた15年前と変わることが無いと嬉しくなりました。
このように、友人関係も良くなっていきました。
走る・曲がる・止まるのクルマの基本性能を使いこなせるかとお手並み拝見と狭い助手席に座り、走りました。登り坂で曲率が緩いカーブでは、エンジンの出力を使い切るかのように多めにアクセルペダルを踏んでくれました。まるでジェットコースターやバイクの二人乗りのようでスカッとしました。この日以来、私が出来なくなったクルマの運転の楽しみ方を助手席から様々な景色や路面の凹凸やうねりを体感させてもらいました。返納した等の理由で運転ができないなら、代行で運転してもらえば良いのです。
以上が私のストレス解消法です。